第36章 後日談 廻り
山姥切国広の場合 Love me tender編
政府管轄の病院。
見るからに千歳の顔が青ざめ、玉のような汗が額に浮かんでいる。
山姥切「千歳!」
医師「一度意識を戻します」
千歳「はっ、はっ…」
看護師「深く呼吸して下さい」
千歳「スー、ハー」
医師「大丈夫ですか?」
千歳「……はい、続けて…下さい」
山姥切「ダメだ、無理をするな!」
千歳「国広。これはもう起こった事だから、過去でしかないなら大丈夫。これから起こることじゃないから…」
山姥切「しかし…」
医師「奥様、気をしっかり。リラックスして下さい」
千歳「フゥー、はい……」
看護師「旦那様、奥様の手を握って差し上げて下さい」
山姥切「あ、はい。……本当に大丈夫なのか?」
千歳「ああ。お前がいるからな」
医師「いきますよ。奥様、何が見えますか?」
千歳「虎…」
山姥切「虎?」
千歳「……さぃ…みか…様…」
看護師「旦那様、奥様にお声がけ下さい」
山姥切「え?、あ、頑張れ、?……ここに、いる」
千歳「国、広…」
医師「どうやら、難所は切り抜けた様ですな」
千歳「ひろ、目を開けて…?」
山姥切「俺、か?」