第35章 第35話 再び
@@@
千歳「私が自分を取り戻せたのは歌仙のお陰だ」
歌仙「僕は…」
千歳「私はお前にも側にいて欲しい」
歌仙「分かったよ」
ちょーぎ「温い、温いなぁ。あれだけのことをしたんだ!さっさと俺を刀解しろよ!」
千歳「お前はそうやってずっと死に場所を探していたのだろう?」
ちょーぎ「違う!」
千歳「私が生まれた国では法というものがあってな。それによれば、人の命は皆平等で他人の都合で勝手に奪って良いものではないんだ」
ちょーぎ「知らない。そんなの知らない」
千歳「刀の時代は廃れ、銃や大砲などの火薬が主流になる。お前は其れを知っている」
ちょーぎ「何が言いたい」
千歳「私とて、お前の全てを赦すことは出来ない。でも同時に命を奪う事もしたくはないと思う。今思えば、きっと私はお前達の事を頼まれたんだ」
ちょーぎ「頼まれた?誰に?」
千歳「鮮やかな花柄の髪止めをした愛らしい笑顔を浮かべる、かの人に」
ちょーぎ「……ぁずさ?」
酷く掠れたその呟きはほとんど音になってはいなかった。
千歳「ただの夢かもしれない。でも貴方が主だったならと言われた。だからその意思を継ごうと思った」