第32章 第32話 違和感@
ああ、ああ、彼だ。
脳裏に甦る彼の面影がようやく色を帯びた。
さめざめと泣く私の肩を歌仙が抱いてくれる。
歌仙「その反応を見る限り、君の初期刀は山姥切国広だね」
どうして、忘れていたのだろう。
彼を思い浮かべれば、こんなにも胸が張り裂けそうな程に痛むのに。
歌仙「どうして、彼は居ないんだろう?」
突き詰めていけば何故と首を捻ることばかりだ。
千歳「後で一期一振にでも聞いてみることにする」
歌仙「でも、気をつけてね」
千歳「何が?」
歌仙「もし、もしだけど、君の記憶障害を三振りが知っている共通の秘密だとしたら君は…」
君は何らかの理由で彼等に囚われているということになる。