第29章 第29話 記憶
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山姥切「千歳!戻って来い!頼む…」
彼女の手を掴む彼の顔は真に迫っていて、彼女のことがよほど大切なのだろうと理解した。
彼の必死の呼び掛けでも起きない彼女が俺の呼び掛けで起きるはずがない。
でも、分かっていても声をかけずにはいられなかった。
まんば「起きてくれ」
ぴく。
反応、した?
彼女の顔は以前青ざめたままだが瞼が震えた。
ちょーぎ「そろそろ起きてくれるかな?」
まんば「ちょーぎ」
ちょーぎ「やだなぁ。腰抜けくん。そんな顔しないでよ、俺は彼女を迎えに来たんだよ?」
バッ。
太郎太刀が山姥切から千歳を奪い取る。
まんば「迎えも何も、彼女の本丸はここだ」
ちょーぎ「何も分かってないね。彼女には俺達の本丸の新しい審神者になってもらうんだよ」
まんば「何をする気だ」