第4章 第4話 誰そ彼(たそかれ)
薬研「たーいしょ、山姥切の旦那と何してたんだ?」
千歳「別に」
多分、大倶利伽羅達がやって来たあの夜。今日のような指令が出ていたのだろう。大将はすぐに燃やせと言っていたし、大した事ではなかったのだろうと思っていた。でも…。
薬研「山姥切の旦那と閨を共にしたのか?」
千歳「してない」
大将にキッパリと断言される。
薬研「は?じゃあ、これは?前にもあったんだろう」
あの翌日、山姥切の旦那の様子がおかしかったのは事実だ。
千歳「接吻で神力が補給できたんだ」
薬研「……へぇ、じゃあ俺にも口付けしてくれるのか?たーいしょ」
千歳「短刀相手に…」
薬研「大将、それはさすがに俺っちも傷つくぜ?」
千歳「薬研?」
薬研「山姥切の旦那ばっかり、不公平じゃないか。今日だって近侍は俺なのに…大将、俺だって男なんだぞ。惚れた女が他の奴に取られるなんざ、御免だ」