第5章 身八つ口【黒尾鉄朗】
地元の夏祭りに合わせてBBQをしているらしく、
穂波ちゃんは浴衣姿。
俺らが家に到着したときは、
たすき掛けをしててそれもめちゃめちゃ可愛かったわけなんだけども。
今はもう研磨と夏祭りに行ってきた後で、
たすきはかけてない。
そんな状態で一生懸命段ボールを動かしながら、
俺のサイズにあう在庫を
パジャマの分と明日の着替え分探してくれたわけで。
サイズが合えばどれでもってんじゃなくて、
あんまりサーフっぽすぎない感じで俺に似合うように選んでくれたりね。
…まぁ、とにかく一生懸命探してくれて
それで、浴衣がはだけてるんだわな。
はだけた浴衣のエロさはだな…
言うまでもねぇっしょ?
「なぁ、穂波ちゃん。
宮城のおばあさん家で茶道習ってるって言ってたじゃん?」
『うん』
「着付けもできんの?」
『あぁ、うん、一応ね』
「…あ,そ。 …じゃ、問題なし、と」
『…ん?』
「んにゃ、何でもないです〜」
『ん、そっか』
じりじりと歩み寄って、
穂波ちゃんの持ってる服を手に取り一度段ボールの上に置く。
「一生懸命探してくれてありがとな」
普通の距離じゃなくてだいぶ近い距離までにじり寄ったから、
少し身体を強張らせながら俺を見上げる