第5章 身八つ口【黒尾鉄朗】
研磨の彼女穂波ちゃんの家でのBBQに、
俺と夜久もお呼ばれして来てる。
俺と夜久は頃合いを見て帰るつもりだったけど、
穂波ちゃんの家の持つ雰囲気というか、
集まる人たちも心地よくてこのまま泊まっていくことにした。
着替えなんて夏だし、
なんならパンツだけも夜は寝れるわけで。
気にしなくていいんだけども、
穂波ちゃんの両親がサーフショップ経営してて、
『うち、B品のとかだけどあげれる在庫があって。後でみてくるね』
「おー、マジか。ありがと。服って言っても在庫あると重いんじゃね?
行くとき声かけてね」
『慣れてるから大丈夫。でも興味あるなら声かけるよ〜』
そんなやりとりがあって、今、車庫の上の密室に
穂波ちゃんと俺は2人きり。
「ねぇ、穂波ちゃん。これさ、俺じゃなくても来た?ここに一緒に」
『…へ?』
「他の男が、手伝うよ〜っつってこんな声も届かないとこについてくるって言っても、
興味あるなら〜って、一緒に来た?」
『………うーん、人によるかな。誰とでもってわけじゃない』
「………いやここは、うん一緒に来たよ。っつって、それじゃ危ないでしょって俺が説教するとこなんだけど」
『…え?あ、そっか。そうだよね。自分ん家だし、全然気にしてなかったや。ありがとう、クロさん』
「人によるって答えは逆にあぶねぇと思うよ?勘違いヤローはそれでスイッチ入るかも」
そんなやりとりもありつつ。
俺はそんな勘違いヤローではないはずだったんだけど…