第10章 触れる【影山飛雄】
「………」
『…あ、やっぱ何でもない。ごめ……』
「…いいっスよ 別に」
『…ん いっぱい気持ちよくするからね』
「………」
なんだそれ、今の言葉だけでまた出そうになったぞ。
意味わかんねー 自分の身体がこんなにわかんねーのは初めてだ
穂波さんは服の上から優しく撫でた後、
そっと取り出して直に触れ始めた
「…っあぁ……」
先っぽからでてる汁を絡めるようにして取り、
俺のを握って扱き始める
やっべ、なにこれ…
『影山くん… すごい固い…… 溜まってる?』
「はっ!? …ッ……」
よくわかんねーけど、穂波さんの声とその手の感触に
あっけなくイっちまう…と思ったら、扱いていた手を緩め、寸止めされた
『最後にシたのいつ?』
「…わかんねーっす。ほんとに仕方ない時しか抜かないんで……」
『試合前のボクサーみたい。 かっこいいね』
「………」
『今は、ほんとに仕方ない時、かなぁ?』
「…そーっすね、はい。 我慢しろっつわれたら我慢しますけど」
『そっか… わたしは我慢しろって言われてももうできないから』
「………」
『ほんとにほんとに、仕方ない時だね』
「…はぁ」
たまに穂波さんは何言ってるかわかんない時がある。
けど、表情とか声の感じが綺麗で心地よくって、なんでもいいかって感じになる。
そんなことをぼけっと考える隙があったのも束の間のことで、
俺の先端にちゅっと音を立て触れた柔らかくて温かい感触に神経が全部持ってかれる