第9章 運命【灰羽リエーフ】
穂波ちゃんの身体を起こし、
膝に乗せて向かい合ってキスをする。
制服も、ベッドも、髪の毛まで…
ぐちゃぐちゃにしちゃった
「あっ!俺!」
『えっ』
「カルピスソーダもってる!」
『へ?』
これ、こぼしちゃったってことにすればいいんじゃない?
それで、一緒に洗濯するように言われて、
洗濯しながらまたエッチしちゃえばいいんだ。
洗濯は放課後かな?
部活には遅れて行かなきゃならないから、
先輩には怒られそうだけど…
「よし!じゃあこれを振って…」
『え、なんで振るの』
「だって、こぼさなきゃいけないから」
『そんなリアルに…』
思いっきり振って振ってってしてるから
穂波ちゃんが何を言ってるか全部はわからない。
ペットボトルの蓋を捻ると
プシィーーーーッ
まだ開けてない、捻っただけなのに
四方八方にカルピスソーダが飛び散る
…これはまるで、スプリンクラーだ
俺にも穂波ちゃんにも思いっきりかかって…
それから緩んだ蓋からどばどばどばぁと溢れてくる
…穂波ちゃんの身体も長い髪も、履いてるスカートも、
脱がせてそこに置いてあったセーラー服も、カルピスソーダまみれだ。
俺のブレザーとベストは穂波ちゃんに脱がされたから置いてある場所が違う。
というか綺麗に、ベッド脇の椅子に置いてある。
濡れて、ない。
…やっちゃった、流石に怒るかな。 怒るよね…
『…ぶっ 笑』
「…?」
『くっ… 笑 あははははは… なにこれー 笑』
「………」
『…ふふっ 笑 もーリエーフくん!』
「………」
『そのキョトン顔はなぁに? もー、やだ、おかしいし可愛いし… ひぃ…笑』
怒るどころか笑い転げてる穂波ちゃんに呆気に取られる。
前から好きだったけど、俺、好きだ、この子のこと。
大好きだ。