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Room Number 「OOO」【気象系BL】

第7章 007


翔太郎からゴム手袋を受け取った成瀬は、「ありがとうございます」と礼儀正しく礼を言うと、天使の弁護人らしく柔らかに微笑んだ。

そしてスーツにはまるで不釣り合いなゴム手袋を両手に嵌め、再びパーティションの向こう側へと向かった。

「俺ちょっと見てくる」

「勝手にしろ」

翔太郎は健太をその場に残し、成瀬の後を追った。

「あのぉ…、見てても良いですか?」

パーティションの隙間から顔だけを出し、恐る恐る声をかける翔太郎に、成瀬は振り返ることもなく「どうぞ」とだけ言うと、サイドテーブルに置かれた電気スタンドを手に取り、コードの部分を弘行の首元に寄せた。

「詳しく調べてみないと分かりませんが、恐らく凶器はコレでしょう」

「え、弁護士さんてすげぇんだな、そんなことまで分かるなんて」

大袈裟なくらい褒め称える翔太郎に、成瀬は特に反応を見せることもなく、電気スタンドを元あった場所に置き、今度は弘行の着ていたシャツの裾をそっと捲った。

「これも鑑識の判断にはなるんですが、この遺体は死後数時間しか経っていないようなので、死亡推定時効は恐らく今朝…それも早朝と言ったところでしょうか…」

「ふぇ〜、やっぱすげぇわ、弁護士さんて… 」

目の前で、ドラマさながらに次々推察して行く成瀬に、翔太郎はただただ感嘆の溜息を漏らした。
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