第2章 002
待ち合わせ場所の近くに車を停めた翔太郎は、依頼主から送られて来たプリペイド式携帯を使って健太に電話をかけた。
依頼主から送られて来たプリペイド式携帯は二台あって、一台は翔太郎が、そしてもう一台は健太の手元にある。
単独では実行するのが難しいとと翔太郎が依頼主に訴えた結果、それならばと二台目が送られて来たというわけだ。
それで報酬が倍になるわけでもないのに、金には狡い翔太郎にとってみれば、そこは正直にならざるを得なかった。
「あ、俺…。今近くまで来てんだけど…、どこにいる?」
翔太郎は電話を耳に宛て、辺りを見回した…が、思った以上の混雑っぷりに、健太の姿を見つけることが出来ない。
ただ、健太からは翔太郎の車が見えているらしく…
車を路肩に停めたまま、健太の元に向かうことも出来なくはないが、もし駐禁にでもあったら…、いや駐禁だけならまだ良い。
この辺りはほんの数分車を停めておいただけでも、即レッカー移動されるので有名な場所だ。
もしそんなことになったら…
せっか立てた計画も台無しになってしまう。
最悪の自体は避けなければならない。
「悪いんだけど、こっちまで来て来んない?」
翔太郎は健太を自分の元に呼び寄せることにした。