第13章 ❄️️ 記録と活用
グラウンド・βの模擬市街地にあるビル。
その内部へ窓からこっそりと入り込むのはAチーム、緑谷と麗日。
その様子をモニターで確認したオールマイトは告げる。
「屋内対人戦闘訓練、開始だ。さぁ、君たちも考えて見るんだぞ!」
❄❄❄
ドオオオン……
「授業だぞコレ!」
「緑谷少年!」
個性で大爆発を起こす爆豪。
モニターを見ながら唖然とする生徒達。
両チームはそれぞれ別行動となり緑谷と爆豪、麗日と飯田が戦闘する形となっていたのだが。
幼なじみの2人、緑谷と爆豪の戦闘は高校の授業での訓練とは思えぬほど壮絶なものになっていた。
音声は聞こえないが、表情は伺える。
『ばくごう……なんでそんなに怒ってるの?』
オールマイトが急いで訓練中の生徒達の小型無線に呼びかける。
「爆豪少年、次それ打ったら強制終了で君らの負けとする。屋内線において大規模な攻撃は守るべき牙城の損害を招く!ヒーローとしてはもちろん、敵としても愚策だそれは!大幅減点だからな!」
それを聞いた爆豪。1度頭を抱えたかと思うと、またすぐに動き出し、2人の戦闘が再開される。
初めて行う対人戦闘訓練、モニターを眺める生徒達もそれぞれ、考察を口にする。
「目くらましを兼ねた爆破で起動変更、そして即座にもう一回…考えるタイプには見えねぇが意外と繊細だな。」
「慣性を殺しつつ有効打を与えるには左右の爆発力を微調整しなきゃなりませんしね。」
『強い…。』
緑谷をバカにする言葉、周囲を見下しているような態度。しかし彼の自尊心は、けして根拠の無いものではないのだ。
爆豪。センスの塊。
(けど…)
違和感を感じる生徒達。
「爆豪の方が余裕なくね?」
壁に追い詰められた緑谷。2人は喧嘩しているように何かを叫んでいる。そして…
「先生!!ヤバそうだってコレ!」
「双方…中止………」
しかしもう止まらない。