第1章 ❄️️ヒーローになりたい
一通りの準備を終え、居間へ降りると父が仕事場から戻ってきた所だった。
『お父さん!』
「お、零。おかえり。」
『ただいま。お父さんもおかえりなさい。ねぇねぇお父さん、最後にもう1回、練習見てほしいの。』
同じ個性を持つ父にそう告げると、
そうだな、いいぞ、と言って、脱ぎかけていたコートをはおり直した。
「もう少しで夜ご飯できるから、早めに切り上げてねー!」
「『はーい!!!』」
「もう真っ暗だな。」
『それにしても寒~い。』
登校用に使っているブーツとは別の、もう長く使っている古いブーツを履いて、いつもの小屋へと向かった。手には小さめの加湿器。
「じゃ、やるべ!」
『うん、お願いします。』
加湿器の電源を入れ、父と、個性を発動させた。