第5章 ❄️️ 実技試験
ヒーローの大前提!!
自己犠牲の精神ってやつが!!
『くっ…』
再度硬度の高い結晶を形成し、奥のプロペラに向かって飛ばす。
ガガ、ギギギ………
止まったプロペラの間を潜り、更に進む。
(こんなことして私、死ぬんじゃないかな?)
狭くなってきた所に、一際熱を発する大きな箱のような物を発見した。
(でもなんだか、楽しいかも。)
ポケットに入っている加湿器を取り出し、電源を止め水が入っている部分の蓋を開け、熱い箱に繋がっている何十本ものコードの束にぶちまけた。
瞬間、ジュワァと水蒸気が上がり、ロボットがもがき苦しむように揺れる。
『うっ、あとは…』
バランスを崩しながらもコードを掴み、思いっきり、力を込める。
結晶で突き破り、そのまま中から凍らせてやる!
『ガッッッ、ぐぁっ…!』
体中に鋭い痛みが走る。
ビリビリッビリッ
意識が遠のいてゆく…。
どこかで爆発が起きたような音が、小さく聞こえた。