第18章 ❄️️ 名前
❄️❄️❄️
オールマイトの到着により…
今事件一番の驚異であった''脳無''の 生徒及び教師への攻撃は防がれ…
しかし彼一人では危ない状況にあると判断した数名の生徒の支援もあり…
飯田が大勢の雄英高校教員 兼、''ヒーロー''を連れて戻るまで…
1人の犠牲者も出すことは無かった。
「かくして 今回の''雄英高校USJ襲撃事件''は幕を閉じたわけだ。」
『…そうですか。』
一通りの話を聞き終わると、左腕に点滴を打っているため、少女は右手で体重を支え、起き上がる。
「寝ていてもいいんだよ。無理は良くない。」
『いいえ、もう大丈夫そうなんです。ありがとうございます、つかうちさん。』
(そうは言えども、顔色があまりよくないな…)
彼女、今事件で重症を負った生徒2人のうちの1人、雪零の病室を訪れていた、捜査に当たったチームを纏める警部、塚内直正は心配そうにその弱々しい笑顔を見つめる。
『私…なんだか記憶がぼんやりしてて…』
「酷い怪我をしていたから、そのショックかもしれないね。」
『怪我…』
「どうして怪我をしたのかは、覚えているかい?」
少女は目を瞑り、俯いて暫く考えた様だったが、最後にはふるふると力なく首を振った。
『すみません。』
「いいんだよ、君が謝る必要はないさ。」
しゅんとして、小さく溜息を着いた雪。
彼女がワープゲートによって飛ばされたのは、確保した数名の男達の証言により雪害ゾーンであると思われるが…
(本当にこの子が、あのような惨いことを…?)