第15章 ❄ ヒーローみたい?
項垂れて下を向くと、ぽんっと頭に手が置かれる。
「訓練に励むのは感心だが、体育館は昼寝するためにあるんじゃないからな。」
『はい。ごめんなさい。』
(でもなんか先生の手、お父さんの手に似てる…)
「………………。」
相澤は手をするりと雪の後頭部に滑らせる。
『…………?』
不思議そうにこちらを見上げるスカイブルーの瞳。
一瞬、吸い込まれそうになる。
「使ったとこだけモップかけて帰れ。」
『あ、はい!』
パッと手を離し相澤は出ていってしまった。
(先生、他の子の頭撫でたりしてるのは見たことないけどな…)
急いでモップを取りに行きながら考える。
(もしかして私…小学生くらいに見られてる…!?)
それはきついな、と唸りながらモップを簡単にかけ、戻しに行く。
(あ、そう言えば…)
カバンを背負って玄関へ向かう。
(昔の夢見てた。そうか、そういえばお父さん、よく個性で動物作って遊んでくれてた。)
暗くなった寮への道を歩く。
(なんだか小さい頃のこと、ぼんやりしててなかなか思い出せない。みんなそんなもんかな?)
明日は土曜日、休みだ。
(個性の練習、しようっと。)
❄❄❄
「ただのマスコミがこんなこと出来る?」
「そそのかした者がいるね…」
「邪な者が入り込んだか。」
「もしくは宣戦布告の腹積もりか。」
数名の教師達の前には、超強力で一般人に破壊は不可能なはずの雄英の校門バリケート。
の、瓦礫。