第6章 ディスエンド
「……近いんは、あっちか」
此処から一番近い戦場に、見知った霊圧を幾つも感じる。(行きたないわァ…)そこには平子隊長や白哉クン、そして雛森チャンが居るのだ。行きたくない、けれど。目の前で彼等を失うのは、もっと嫌だ。スッと眼を閉じ遠隔地の霊圧を探ると、藍染隊長もまだ生きているし、他の霊圧も感じる。イヅルの霊圧を感じないことだけが気掛かりだが、侘助の霊圧を感じる為、恐らく死んではいない…と思いたい。
神鎗を撫ぜる。そうして、いつでも鬼道を放てるよう掌に霊圧を込めながら、突如平子隊長達がいる場所に現れた巨人を倒すべく、地を蹴った。
「"交換"でここまで巨大になれたのは……初めてだ!!!」
滅脚師の巨人が塔の先端をいとも容易く手折る。そうして、それを死神目掛けて投げた。吹き飛ばされる雛森チャンの姿に焦るも、平子隊長が雛森チャンの手を掴んで引き留めたことに安堵する。その隊長を上から押し潰さんとする巨大な手を、神鎗を延ばして切断した。悲鳴を上げながら刃の持ち主を探す巨人に特大の六杖光牢を放ち、その動きを止める。そうして、平子隊長の側に降り立った。
「…なんで、お前が此処におるんや、なんでや……市丸……!?」
「なんやボロボロやないですか、平子隊長」
にこりと笑みを向ける。信じられないといった顔をする平子隊長と雛森チャンを横目に、巨人の手を切った切断面を特殊な鬼道で覆い、もう巨大化できないようにする。恐らくは大丈夫な筈だ。切れば切るほど巨大化するというのなら、その切断面に"切られた"ことを認知させなければ良い。ただ問題は、いくら藍染隊長の影響で霊圧が増したとはいえ、切る度にこの鬼道を用いていては私の霊力が持たないということだ。
次々と集まってくる白哉クン達にぎこちなく笑いかけながら、何かもの言いたそうな白哉クンの唇に人差し指を当てる。
「説明は後や。今は倒すんが先やろ」
「愛美…、確かに兄の言う通りではあるが、…覚えておけ。説明をしてもらうまでは絶対に逃がさぬ」
鋭い目つきで私を睨む彼に冷や汗を流しながら笑った。途端、六杖光牢を破壊し自由になった巨人が、にやりと笑いながら私を睨む。