第6章 ディスエンド
「君の力を貸してほしいんだ」
総隊長として、京楽隊長が正式に私を訪ねてきた。いずれ来るだろうとは思っていた。敵は山本総隊長や白哉クンですら負けてしまう程の力を持っているのだから、王族特務の零番隊が出動せざるを得ない状況になっているのだから。
「君は死んだことになっているから、彼等は驚くかもしれない。けどね、そんなことを言ってる状況じゃなくなってさ」
「…私が戦力んなるとも思えまへんけど、」
「君の能力は向こうにも知れていないし、何より君は鬼道が使える。そして、君の中に封じている彼の力も借りたいんだよねぇ」
「………彼等への説明、私ようやりませんから、全部貴方がしてくださいね」
そうして、藍染隊長と共に死んだはずの私は、藍染隊長をその封印から限定的に解き放った。私と藍染隊長は、再び彼等の前へと姿を現わすことになったのだった。
「…あらァ、話には聞いてたけどボロボロやんけ」
零を背中に背負い、再び降り立った尸魂界は壊滅状態だった。上で、ユーハバッハと和尚サンが戦っている気配を感じる。和尚サンの命令で私は参戦することを赦されていなかったが、こうなってしまえば仕方がない。亡くなったとされている私がこうして零番隊に所属していることを知っているのは、今は亡き山本総隊長と現総隊長である京楽隊長、そして浮竹隊長と卯ノ花隊長だけだ。尤も、もう、京楽隊長しか生きていないのだけれど。浮竹隊長や卯ノ花隊長を筆頭に、この戦争で亡くなった多くの死神を悼んで黙祷をする。
私が零番隊に昇進したのには、様々な理由がある。護廷に戻るつもりはない私と、どうしても死神として戻ってきてほしい総隊長。そうして、妥協案として、和尚サンのスカウトもあり私は零番隊になった。それだけでなく、無言詠唱や同時詠唱が行える私の鬼道の才能を買ってくれたのもあるし、私に封印されている藍染隊長の監視という目的もあったそうだ。和尚サンが私を戦場へ行かせたくなかったのは、一重に私が鬼道で霊王を護る務めを和尚サンと共に担っていたからに他ならない。しかし、霊王を守っていた鬼道も敵に破られてしまった。和尚サンも重い腰を上げて戦っている今、私が参戦しない訳にもいかず。こんな一大事でも、彼等の前に姿を現したくないと思う私は、危機感が足りていないのだろうか。