第1章 見てるだけで
食事を終え食器を洗いに行く。
キッチンの者は最後エルヴィンがトレーを取りに来るのを見送ってから帰るのでこの時間になってしまうと最後に食器を片付けなければならないのだ。
食器を洗いつつエルヴィンと自分について考えていた
まだ私は分隊長補佐の身。早く追いつきたい。団長に気を取られすぎて仕事手につかない。なんて!
自問自答のルンルン気分で食堂を後にしようとした。
「あミヤビさん」
〈しようとした〉のだ
「エレン…!?こんな時間になんで食堂に」
「俺は兵長のメシを下げに…ってミヤビさんこそなんでいるんすか」
まずい。とりあえずの言い訳……
「訓練が遅くに終わってね、?」
「お疲れ様です!」
とりあえず危機は乗り越えた。よく良い言い訳できたな!偉い!流石私賢いわ!
エレンには見えない汗をダラダラ流しながら褒めちぎる
「っあれ、訓練俺達も一緒にしてましたよね?」
「っっと!ね!それの後にやってたの!!自主練!っうんそう自主練…かな……」
この人一人でなんか焦ってんぞと聞こえた気が。。変な目で見られてる。
あまりに素っ頓狂すぎたか!?
下を向いていた顔は上げれず目だけ渋々エレンの方へ向けた。
「へー…大変ですねー」
納得してないようにエレンは答えた。
「じゃあ、明日も早いし私帰るね、おやすみ」
「あ、あぁおやすみなさい」
嘘がバレるかもっていうドキドキが止まんない、とりあえず団長のストーカー予備軍ってことはバレてないもし知られたら死ぬ。確実に死ぬ。社会的に。
不自然だったがテキトーに会話を終わらせるのに疲れた、今日はもう寝よう。
消灯時間は過ぎている。
ロウソクで辺りを照らし女子寮へ向かった。