第1章 見てるだけで
ミヤビはいつも遅くに食堂に食べに来ていた。別に仕事が忙しくてとか訓練のせいでとかでは無い目的はただ一つエルヴィンが食事を取りに来るからだ。
エルヴィンは夜10時前後に食事を取りに来る。
ミヤビはチラチラと気にするように扉を見ては食べをいつも通り繰り返す。本が好きなミヤビはこの時哲学書を読んで時間を潰していた。
その日は10時5分頃、その人は来た。
エルヴィンは定位置にある豆とトマトのスープ、冷めたチーズの乗った固い大きめのパン、コップの乗った普通兵のものより一回り大きいトレーを持って足早に食堂を去った。
その間25秒。
ミヤビはこの数秒のために遅くに食事をとる。
今日は髪の毛が少し湿っていた、風呂上がりなのだろうか、さっき迄訓練でもしてたのか
エルヴィンのことを考えるだけで無意識的に口角が上がってしまう!
エルヴィンに馳せて過ぎる時間で消灯時間も近い、あわあわとパンを食べ進めた。
食堂はいつの間にかミヤビのみだった。