第4章 図書室から始まる
突然私の背後へ目を向けた
「時間をとってしまって悪かったね、行きなさい。君もね」
優しい表情のエルヴィンと目が合う。
それまでも何回かあった筈なのに今回は大イベントの後なので特別なものに感じるミヤビ。…傍からしたら盲目の極めすぎと感じるのだが。
「では、恐れ入りますが先に失礼します」
ファンデーションの下の赤い顔はきっとバレていないと思い聞かせエレン達と図書室から出ていった。
図書室から少し離れた廊下に着いた。
「セーフ?聞かれなかったかな?」
「ミヤビさん、あれはいつかバレますよ」
「えーやっぱり聞かれてたかなぁ」
「じゃなくって、好きってこと…」
「っんもぉ?!デリカシーってもんはないの??!近くに人いたらどーすんの?!」
恥ずかしすぎて早口になりながら
勢いよくエレンの方を見るとエレンがニヨニヨしていたのでエレンの肩をグーで殴る。
「痛てぇ!流石っす」
「関心するとこじゃないの分かってる?」
隣で聞いてたアルミンはつい吹き出してしまい赤面したミヤビの照れ隠しの強めなグーパンチを二の腕に受けていた。
「でこの後は何するの?」
「もう7時半とかですよね、いい時間なので多分夕食食べに行きます。」
「じゃあここで解散か」
「ミヤビさんは?」
「んーミケさんの間違えた書類の訂正と本を読むかな?」
それからは食堂まで三人を見送って解散することになったのだがミカサが食堂へ入っていかない。
「ミカサ?」
「あくまで私はエレンとアルミンのためにやってることだから優しいだとか勘違いしないで。
あと貴女は賢いけど鈍くて馬鹿なところがあるから今後油断はしないように。」
「うんわかったよ」
トゲは一旦スルーしてミカサなりの優しさと受け取っておこう。
「ミヤビさん…今度一緒に訓練してください」
「教えることもないと思うんだけどいいの?」
「はい、護身術について教えたいと思って」
「あぁ教えられる側かぁ、確かに突然襲われても一般男性ならまだしも兵士なら敵わないし是非」
「…近くに誘います」
「うん来てね
ホラお腹減ったでしょ?戻りな?」
コクっと頷いて戻っていった。
きっといい子なんだろうなと思いながらホクホクした気持ちで廊下を歩くのだった。