第4章 図書室から始まる
一点に視線が集まる。
「君たちどうしたんだ」
そこに居たのは衝撃的人物
「だっ、団長!!?」
慌ててハンカチをポケットに入れ
思わず音が鳴るくらいの敬礼をしてしまう。
「よしてくれ楽な姿勢になりなさい」
ぷはっと笑う
か、かっこいい…
キラキラした目でエルヴィンを見るミヤビ。この三人に知られてしまったからには恥なんて既に捨てて来た。
「団長お疲れ様です。では僕達行きますね」
一緒に図書室にいても気まずいだけと思ったアルミンが助け舟を出してくれた。
「あぁお疲れ。
ミヤビ、此方へ」
エレン達からミヤビへと目線を流す
「は、ハイ!失礼いたします」
突然呼ばれたため考える暇もなく団長の元へ行く。
距離は3歩分。初めてこんなに物理的に近づいたなぁと思ってドキッとした。
「なんでしょうか、」
「大丈夫か鼻声だし目と頬が赤い。」
「やっ、え??」
小さな声で驚くとミヤビの頬を撫でるエルヴィン
まんまるく大きく開かれるミヤビの瞳、頬に神経が集中する。カサカサとした指がこそばい。
エルヴィンは目を合わせ続けて言う。
「ミケの書類を代わっているんだろう?垂れ込んできたんだ。…もし具合が悪いのなら少しは休んだ方がいいんじゃないか?」
君の予定もあるし無責任だけど…とエルヴィンは続けた。
「ご心配なく、なんともありませんわ」
慌ててるのを察されてはならないと思いつつ真っ白になりながら喋るもんだから変な口調になる。
後ろの「お嬢様かよ」とエレンのツッコミも聞こえない。
あくまで私は団長の前では落ち着いたキャラなのだからまずこのドキドキを収める精神統一にありったけの力を使う。
「ミヤビはよく頑張ってる。無理するなよ」
少し笑ってパッと添えられた手を離した。
「は、い」
離れてすぐ触られてたところが熱くなってジンジンピリピリする。
団長が私に触れた。頬に触れた。昨日まで夜の食堂でたまたまですよみたいな顔して団長を待ち、来たら横目に見て裏でキャーキャー行ってたこの私に触れたのだ
しかも触れたときサボン系の香りが…メモしなくては……