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月下獸-蕾-

第3章 小さい



孤児院である本を読んだ。

絵しか書いていない本

それをめくって、めくって見る

そこには
僕と同じぐらいの子供が大きな女の人に寄り添ってる

(これは··なんだろ)

来る日も来る日もその本を読んでいた。

その時間だけは誰にも叩かれたり叱られたりされなかった。


「·····君は幸せかい?」


ーーーーーー·····


ぱちっ
(ゆめ?···久しぶりに見た)

ちいさい子が
女の人に寄りかかっていた

(あれかな?···普段の太宰さんの真似か?)←

☆★☆

ガチャ
「おはようございます」

「おはよう」

(太宰さんは遅刻···か)

とりあえず

ごちゃごちゃ
(太宰さんの分までやりますか··)

ガチャ
「おはようございます」

探偵事務所に響いた優しい声
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