第18章 別々の場所で
マリサイド
トネリに連れてこられた場所は、本当に月だった。
建物の外から見渡せば今そこからきたであろう自分たちの星が見事に輝いて見えた。
それはこんなにもかかしと、木の葉から離れてしまったという事実を突きつけられる光景でもあった。
無機質な人形のような召使いたちの案内により
部屋に通される。
「マリ、僕はあとでまた来るからここでしばらくゆっくりしていて」
そういってトネリは姿を消した。
緊張感がいっきにとけて、その場にしゃがみ込む。
かかしに最後呼び止められた時の声が頭に蘇る。
その声からわかったのは
私の行動はかかしを傷つけたということ。
でも、かかしが前によく言ってた。
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『もーなんで全部わかっちゃうかな~かかしには~』
『だってマリのやってることバレバレでしょ』
『さすがにこれはバレないと思ったのに。あーくやしい!
かかしに隠し事できないっ』
『忍びは裏の裏をよむべしってね』
『もぉ…あたしは忍びじゃないからぁ』
『ははっマリを見てると昔のナルトを思い出すよ』
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「忍びは裏の裏をよむべし…か。かかしに伝わってるよね?私の思い‥」
最後に呼び止められてかかしを見たとき
そこが勝負だった。
きっと、何とかしてくれる_______
薄暗い部屋にゴロンと横たわる。
慣れない場所、無機質な建物。
「かかし…会いたいな…」