第17章 迎えの日まで
かかしサイド 続き
それでもマリが無言で俺のほうを見向きもせず
トネリのもとに自ら行った姿は心が痛かった。
あいつの手を握っていることに嫌悪した。
どこの誰が自分の大切な人を無理やり横取りされて冷静にいられる?
これは自分自身との闘いでもあった。
俺がマリの名前を呼んだ時
それは俺にとって最後の賭けだった_____
自らトネリのもとへ行った彼女のその奥にある本当の気持ちをどうしても確認したかった。
振り向いた彼女の眼は…
彼の元へいった時の冷めた眼でもなく
いつもの泣いている眼でもなく
『かかし、信じてる__』
そう言われたような眼差しだった。
マリは、まだあきらめてない______
そう確信できた。
俺にすら何も言わず彼女がトネリについていくことは賭けだったはずだ。
彼はもう何もしないといったが、それも保証はない。
きっと彼女なりに何かを探るつもりなのだろう。
俺達が助けにくると信じて。
忍びでもない彼女が彼女なりにいろんな裏を読み、恐怖をすて覚悟を決めて行けるほど強くなったんだと思えた。
それほど、俺を、木の葉を信用してくれている。
俺は必ずこの手に君をもう一度取り戻すよ
そして、もう一度この世界を守ってみせる______