第16章 心のないプロポーズ
マリサイド 続き
声の主は見なくてもわかった。
トネリだ。
「お前は…何者だ!?」
違和感をすぐに感じたかかしは警戒心をあらわにする。
それと同時に、複数のお面をつけた忍び達も瞬時に出てきて周りを取り囲んだ。
「そんな恐い顔しないでよ六代目火影。ぼくは大筒木トネリ。今日は君へほんのあいさつと、一言伝えに来ただけ。
僕はね、マリにプロポーズしたんだ。あと3日後に迎えにくるから、よろしくね」
「…大筒木?プロポーズ!?」
驚いたかかしは、私とトネリを交互にみる。
「…よくわからないけど、マリはお前と結婚なんかしやしないよ。連れて行かせない」
私の肩を抱くかかしの手にグッと力がはいった。
「それはどうかな…。マリ、君はまだ彼に何も話せてなかったんだね。いいさ、あと3日あるし説明してあげなよ。
僕には君の結論はわかってるから、ちゃんと3日後に迎えにくるよ」
トネリは暗部の仕掛けられた拘束術からもすり抜け、それだけ言って消えた。
最悪だ…
このタイミングで、言いたいことだけ言って消えて…
もう…かかしの顔…見れない…
そう思ったらいきなり抱きしめられた。
「何があったかわからないけど…行かないよね?
…あいつのとこなんて…」
行きたくない…そう言えても、行かないとは言えなかった。
行かなかったら、その先にあるのはこの星の滅亡だ…