第16章 心のないプロポーズ
マリサイド 続き
かかしの愛情いっぱいのごはんは
ほんといつ食べてもおいしい。
すっかり幸せいっぱいになってしまった。
はぁ…肝心な話があったんだった…
うなだれていると、かかしが暖かいコーヒーを入れてくれてまた少し心がなごむ。
わたしが好きなミルクと砂糖をいれてほんの少し甘いっていうほどよさを彼はちゃんとわかってる。
「最近仕事どう?まだしばらく忙しくなりそう?」
「そうだね~ちょっとやっかいな話があってさ…
毎日通信で5影会談ばっかりだよ」
やっかいな話…
思わず持っていたコーヒーが傾き波打つ。
「やっかいって…まさか…また世界滅亡とか、月が落ちてくるとかじゃないよね!?あはは!」
「え、マリなんで知ってるの!?」
「え!!?いや…なんていうか適当に、言った、だけで…」
「いや…あまりに言うことが的をついてたからさ…
一応極秘事項なんだけど、月が少しずつ迫ってきてるんだよ」
「月が…迫ってきてる…」
笑えない…
いっきにトネリが言っていたことが現実味をおびた。
「なんとか…できないの‥?」
「それがね…まだ謎な部分が大きすぎて…ただこのまま月が地球に迫ってきたとして、ぶつかるなんてことが起こればそれこそこの星事態が危ういよ…」
「‥…」
私が月にいけば…
みんなを助けられる…あいつはそういった…でも…
「なに?不安にさせた?だいじょーぶ、俺火影だよ?
ちゃんとみんなのこともマリも守るから」
そう言ってかかしは手を握って優しく笑ってくれた。
私は、またこの手を離さなきゃならないの…?
でも、かかしに言えば絶対に止められる。
そしたらこの世界が…
その日
結局何も言えず私はかかしの胸の中でねむりについた。