第15章 マリと見知らぬ子
マリサイド
忍び世界は5影たちや人々の努力により瞬く間に復興をとげ、平和という言葉がとても似あう穏やかな暮らしになった。
私も特に変わりなく過ごしていて、もうすっかりこっちの世界にもなれたもんだ。
かかしは相変わらず忙しいけど、火影になりたてのころに比べたら、ちゃんと帰ってくれる日も増えていて私たちは仲良くやっている。
平和…充実…そんな言葉が似合う日常だった。
「かかし、じゃあもう帰るね」
夜食の差し入れを持ってきて火影室にいるものの、私がいるとなかなかかかしが仕事に戻らないからそろそろ切り上げようと腰を上げた。
「もういっちゃうの?」
そういってたて肘つきながら不貞腐れているかわいいかかしを見ると、もうちょっとだけ…と思うけど、後ろからちょっとあつい視線を感じる。
「へへ。ごめんね、シカマル。もう今度こそ!次こそ帰るから!」
「マリ、すまねーけど、今度こそ頼む、今日はもうお開きで」
そう
この帰るね→もういっちゃうの?→じゃもうちょっとだけ…という無限ループのようなことをすでに3回していて、かかしは仕事に全然集中していない。
シカマルが頭を抱えてそういうのも納得だ。
「今度こそバイバイね、かかし!頑張ってね!」
シカマルに謝ってドアに手をかけた。
「マリ!帰り、気を付けてね」
「もー大人なんだから大丈夫だって。それに今や平和でしょ木の葉も。じゃまたね」
ひらひらと手を振るかかしをもう一度目に焼き付けて火影室をあとにした。
「かかしは心配性なんだからな~ほんと…」
「あーシカマルには悪いことしたな…次はシカマルの好きなものももっていこ」
静かな夜道、木の葉の里に大きな私の独り言が舞い上がる。
しばらく歩くと___
何気なく横を見たときに、公園があった。
「懐かしいなぁ~ブランコとか…」
そう思って、いい歳して何やってんだかと思いながらもブランコに乗り出した。
誰も見てない今こそがチャンスだろうという考えだった。