第14章 マリとかかし。嫉妬。
かかしサイド 続き
俺は心飛び跳ねるように瞬身で家につく。
ウルシも帰ったころだし
あとは俺がいるから問題ないでしょ。
驚かそうと思ってそっと家にはいると、マリは少しぼんやりと立ち尽くしていたから、いいタイミングだと思えた。
よし…
そう思って声をかけようとしたところ
「サスケくん、元気かな~…はやく帰ってきたらいいのに」
彼女から聞こえた言葉の第1声がそれだった。
なんていうか…普通に、ショックだった…
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『‥…かかし油断するなよ』
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そう言い残していたずらに笑ったサスケを思い出した。
「随分サスケの事気に掛けるじゃない」
俺は驚くマリをよそに、確実にイライラしている自分をなんとかしようとマリを通り越してリビングに進み、羽織やベスト、マスクをはずしてラフな格好になる。
俺…大人げない…子供じゃあるまいし…
そう思っても本心を言うことは止められなかった。
「俺には早く帰ってきてほしいって思ってくれなかったの?」
「へ?…なんで…そんなこと思うの?」
「俺と1か月も会えなかったっていうのに、口にしてたのはサスケでしょ?」
あぁ、俺完全に嫉妬してるよ…自分の部下に。
「ご、ごめん、そんなつもりで言ったんじゃ…」
「じゃ、どういうつもりよ。マリは俺と離れたままでも平気だったってこと?」
「ちがう、そんなこと思ってない。私だって」
落ち着け
俺は彼女を謝らせたかったんでも
そんな悲しそうな顔をさせるために帰ってきたんじゃない。
そう思ってマリのもとに一気に距離を詰めた。