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ここで君ともう一度

第13章 ウスラトンカチ


マリサイド

それから______


結果的にそろいもそろって、私とサスケくんは牢屋にいた。



隣の牢屋をみるとサスケくんは拘束服で身動きが取れなくなっているうえに、目隠しまでされていた。
私はというと、一応ここの世界のものではないこと、大筒木の姓もあって取り調べと今後のことが決まるまで牢屋で待機となった。


心は思ったより落ち込んではなかった。


サスケくんが私に気づかせてくれたおかげで
私は覚悟を決めることができたんだ。
もしできていなかったら、ビビりの私はきっと牢屋で絶望的になり泣いていただろう。



「サスケくん…ありがとう」



その声に反応して、サスケくんは声の聞こえる私のほうに目隠しをしたまま向いてくれた。


「なんの礼だ?」


目隠しされて動けないわりには
いつも通りぶっきらぼうな返事だった。



「いろんなことに覚悟決めれたの、サスケくんのおかげだから…前までの自分だったら、今頃ここで泣いてたよ、ふふっ」



サスケくんは、しばらく黙った後、話し出した。



「お前は…どうやらかかしに本気のようだな」


「へへ。でもね…ちゃんと自分の気持ちに向き合うまで5年かかった」



そう苦笑いする私を、目隠しで見えないはずなのに
サスケくんはじっと見ていた。


「5年か…お前も相当なウスラトンカチだな」

「え?ウスラ…何?」

「ウスラトンカチだ」

「ん……馬鹿ってこと?」

「まぁそういうことだ」

「あははっ。そうだね、そうかもねっ。ほんとはどこかで気づいてる自分がいたのにさ、ずっと見て見ぬふりしてたんだ。でも5年たって…再会する前にかかしが1度死んじゃうの見たんだよね…」

「かかしが?」

「うん、なんかペイン?って人が里を襲った時、かかし1度死んだの。それを私は映像で見たんだ。あの時ほど、自分を呪ったことはなかったよ。でもなんかの術でかかしが生き返って、ちゃんと再会できて、でもまたかかしを戦争で失うかもしれないって時にやっと自分の気持ちに素直になれたんだ」

「‥‥」


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