第12章 覚悟と結論
マリサイド 続き
「私の姓、大筒木ってここではあんまりいい印象じゃないみたいだね」
「確かに最後の相手大筒木カグヤは強敵だった。
正直いって俺達だけでは勝つことはできなかったよ。
たくさんの人達の協力の上でなんとか勝てたぐらいだからね。でも大筒木一族がすべてそうだったわけじゃない。
さっきマリが会った大筒木ハゴロモ様もこの戦争を勝利に導いてくれたその一人。その息子アシュラ様も愛と平和に生きた人だったんだよ」
「そっか…。サスケくんにさ…お前は自分の世界を捨てれるのかって、すべてを捨てて、この姓にまつわる不幸があってもそれを背負う覚悟はあるのかって言われたの」
「…サスケがそんなことを…」
私達の間には
キラキラ光る朝とは反対に少し重い空気が流れた。
「…じゃあ…やっぱりマリは自分の世界に…」
そこまで言いかけて、かかしは途中で言うのをやめた。
そんな不安そうなかかしをしばらく見たあと
私は立ち上がった。
「私は!大筒木だけど、大筒木カグヤなんかじゃない!
戦争も嫌いだし、力だってなにも持ってない!
この姓に支配される気もさらさらない!」
そう突然叫ぶ私に
かかしも、サスケくん、ナルトくん、サクラちゃんも
全員が驚いて私を見つめた。
「サスケくん!あなたが私に言ったこと、その通りだと思った!私は、覚悟も決めれない、ほんとに平和ボケした甘くてどーしようもない子だった!でも、私決めたよ!
帰らないから!誰になんと言われても、根性見せるから!
みんなみたいに、必死で生きてもっとみんなとも深く繋がってみせるから!!」
肩ではぁっと息を整える。
その先に見えるのは
太陽のように笑って親指をたててくれるナルトくんと、サクラちゃん。
サスケくんは少しハニかんでから
「好きにしろっ」
と言ってくれた。
隣を見るとさっきまで不安そうだったかかしが
驚いた顔をして私を見上げていた。
「マリ…」
「かかし、私こっちにいることに決めたから…それに、実はあのお面も割れちゃって、もうないの。
迷惑かけちゃうかもしれないけど、覚悟してね」
そういって思いっきり笑うと
「ほんと、かなわないね」
左目を隠すようにしてかかしも笑った。