第11章 マリとサスケ、そしてナルト
マリサイド 続き
「自分の世界に帰るか、今ここで俺に殺されるか…」
見下ろされたその眼は
そらすこともなくまっすぐ見つめられた。
恐い…でも、でも…
「‥‥帰りたく…ない…」
その言葉と同時に浮かんだのはかかしの笑顔。
刀がカチャリと肩の上で鳴った。
目をそらさず見下すそのオッドアイの恐怖に、逆らうように私もじっと見つめた。
でもその場の恐怖と、かかしへの思い、私の姓や祖先に対する疑問がぐちゃぐちゃになって、涙としてこぼれていった。
逆らう無力な私は、殺される___
そう思った瞬間
「サスケ」
その冷静な声と同時に、刀が私の肩から離れた。
金色の髪の毛の子が、サスケくんの刀をおさえ、その刀だけがカタカタと2人の力を反発しあって鳴っている。
この金色の髪…かかしの教え子のナルトくん…
「サスケ、やめろってばよ。姓が同じだけでまだ何もはっきりしてねぇじゃねーか。大筒木すべてが悪とは限らない。
六道のおおじいちゃんを見てたらわかるだろ?」
「それでもこいつはこの世界の者ではない。お前は本当に甘いなナルト。お前の甘さにはほとほと愛想が尽きる」
「ただやみくもに力でねじ伏せて、殺して…そんなことはまた復讐や憎しみを生むだけだ。また同じようなことを繰り返すだけになっちまう。それに、この人はかかし先生の大切な人だ。だったら俺は信じてみたいんだってばよ」
「かかしの大切な人か…。ふっ。もう誰もいないといっていたあいつが懐かしいな。だったらその繋がりもたち切ってやる、お前らと同じようにな!それでお前らは俺の痛みを理解できるはずだ!」
「サスケ、俺はお前を連れ戻すことをあきらめてねぇ。だからこうしてここに来た。お前もそれをわかっててここに来たんだろ?この終末の谷に。お前と俺は、お前と俺達木の葉は切ってもきれねぇ!」
「ふっ。いいだろう、これが最後だ、ナルト。俺が勝てば、俺はすべてを断ち切る。もちろんこの女も始末する!」
「わりぃけど、もうこれ以上はさせねぇ。これで最後だってばよサスケ。俺はお前を連れ戻す!!」