第11章 マリとサスケ、そしてナルト
マリサイド
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「いっったっ…」
乱暴に抱きかかえられたと思ったら、すごいスピードでどこかに連れ去られ、あげくたどり着いた場所に捨てられるかのように降ろされた。
この人、かかしの教え子で里を抜けたっていう
サスケくん…だっけ…ほんとに恐い…
「あの「余計なことはしゃべるな」
そう言われて刀を肩に置かれた。
嘘でもなんでもなかった。
見下ろされた赤い目と紫の眼は
確実に私を一撃でいつでも殺れる…そう物語っていた。
「お前は俺の質問にだけ答えろ。余計な真似をすればその首が飛ぶと思え」
冷え切ったその眼と声に、体がまたガタガタと震えだした。少し後ろに聞こえるのは大きな滝の音。
どこにも…どこにも逃げ場はない…
「お前、大筒木と名乗ったな。お前はいったい何者だ?」
「…わかんない…名前は確かに…大筒木マリ。でも、でもそれ以外何も知らない」
「なんでお前はかかしを知っている?」
「…6年前に…初めて会ったの…
突然こっちの世界に来てしまったみたいで…
なんでかはわかんなくて…火の神様の場所で、数回だけ会ったことが…ある…最後に会ったのは…1年前。
戦争が終わるだろう1年後に…再会の約束をして…
それが今日…」
「お前は何も知らないだろうから教えてやる。
俺たちが最後戦っていたのは誰なのか、かかしも含め俺達は誰からこの世界を守ろうとしていたのか…」
「‥‥」
「それはな、大筒木カグヤ。お前と同じ姓だ。
こんな珍しい姓は2つとしてない。
何がどうなっているかわからないが、別の世界にいたとしてもお前の祖先はあいつと何か繋がっている。
無限月読という強力な幻術にもかからず、誰一人逃げ出すこともできなかった神樹からお前はあっさりと抜け出せている。それがあいつの血を少なからず受け継いでいる証拠だろ」