第10章 約束の日
かかしサイド 続き
「かかし?…かかし!!!」
俺を見つけたマリは、周りの反応には構いもせず、一目散に駆け寄ってきた。
そういえば、もう約束の日を迎えていたのか…
最後の戦いがあまりに凄まじく
たくさんのことが起きすぎて俺自身も余裕がなさすぎた。
それでもこうして再会できたことにうれしさと、でもサスケの言うようにこの状況…
一体どういうことなのかわからず、結果俺はどのリアクションをとったらいいのかわからなくなった。
「え…と、マリ…ごめんね迎えにいけなくて…」
とりあえず言えた言葉はそれだけだった。
「ううん、そんなのいい。よかった…ケガしてるみたいだけど、無事でよかった‥」
涙目で笑う彼女をみて俺もようやく戦争を終えることができたんだと思えた。
「そやつ、この世界のものではないな」
その言葉で全員がハッとする。
ハゴロモ様がそう言って俺を見た。
「はい、おそらく…。俺がマリと初めて出会ったのはもう随分と前になりますが…本人の話を聞いている限りそうだと…」
「無限月読にかかっていなかったようじゃが…おぬし、わしがここに連れてくるまで何をしていた?」
マリは宙に浮いているハゴロモ様にに若干恐怖を感じながらも、俺のそばで恐る恐る答え始めた。
「何って…かかしとの約束の場所で…待ってました…でも、最初は木?に襲われて…でも気が付いたらその木はバラバラになってて。その後は…あの繭みたいになった中から人を助けていました…みなさん寝てるみたいで意識はなかったですけど…」
「なんと…おぬしは、この神樹に襲われたにも関わらず自ら出たというか?」
「たぶん……覚えてないですけど、気が付いたら…」
「あの神樹にとらわられたものは強力な幻術にかかっており、ましてやそれを神樹からとってはがすなど簡単にできることではない」
「でも…私…」
俺は異様な雰囲気に包まれているハゴロモ様を見て少し不安になった。
「おぬし…名は…?」
「え…名前はマリです。大筒木マリ…」
「「「「!!!!」」」」