第9章 約束と縛り
マリサイド
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朝日がもうすぐ昇ろうとする頃
私とかかしは手を繋ぎ火の神様の場所に2人来ていた。
私の手には暗部時代かかしが使っていた狐のお面。
唯一、私とかかしの世界を行き来するときに
決まって何かのきっかけになっているものだ。
木の葉の里から火の神様の所にいくには、
あの神聖な空気のある場所の階段を上らなければならない。
その下までつくと、2人そっと抱きしめあった。
「正直いって、いつ戦争が始まって、いつ終わるかも想像できない。今回ばかりは普通の戦争とはまた違うから…」
「うん…」
こうしてこのままずっといられたらいいのに
別れの言葉を口にすることは恐くて
なかなか次の会話がでてこない。
長い沈黙のあと、かかしがポツリと言う。
「マリ…今から1年後の今日、またここで会おう」
「1年後の今日……うん…わかった…」