第8章 深いつながり
かかしサイド
俺とマリはお互いのことについて、出会ったころからさかのぼり包み隠さずお互いの気持ちや状況を話し続けた。
マリはやっぱり俺たちの忍び世界のことには驚きを隠せないようだ。
だいたいのことを話し終わった時には、彼女はすっかり小さくなりうつむいている。
「マリ…大丈夫?」
大丈夫なわけ…ないか…
話の内容が、あまりに次元が違いすぎる…
見つめる彼女はしばらく沈黙していたあと、俺を見て両目から涙をきれいにいくつもこぼした。
「行かないで…」
そのたった一言が、そのとめどなく流れ落ちる涙が、彼女の気持ちのすべてを語っていた。
心が痛い…
戦争の辛さは俺も経験しているだけに
彼女の思う気持ちがあまりに理解できすぎて…
でも、それを知っているだけに
俺の経験は次の戦争では重要なカギを握る。
俺は何があってもいかなければならない______
「…ごめんね…」
唯一、彼女に返すことができた言葉だった。
それでも涙を流して、食い下がらず強がって俺を見続けるマリに俺はいてもたってもいられなくなった。