第7章 再会
かかしサイド 続き
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ウルシの匂いでたどり着いた場所は
火の神様の場所の近くの山道。
もうすっかり月明かりの綺麗な夜。
あの時と同じ初めてマリと会った時の夜が
閉じられていた俺の思い出の中から少しずつ
答え合わせをするかのようによみがえる…
少し離れたところにいる彼女は
俺からもわかる、マリの匂い____
5年も離れていたけど
彼女の匂いはあの時のように俺自身を幼くさせる。
暗部時代の俺…
それにこれは涙の匂いも。
少し離れた場所にはあのお面が転がっている。
懐かしい、暗部時代に使っていた狐のお面…
泣きながらそのお面をひろう彼女。
そして俺とウルシの気配に気づき、また俺のことをお化けかなんかと勘違いしてる。
変わらないねほんと…
「もう…お化けとか…いやだ…今それどころじゃ…ない…」
「お化けとか失礼でしょ」
そういった俺の声に体全体で反応する。
なんとなくでも俺の声を感覚で覚えてくれていたのか。
こんな小さなことで俺の心は跳ねる。
涙をふきとって彼女は必死に俺をみるが
あぁ俺、あの時お面してて素顔も見せてなかったと後悔する。
あれだけマリが泣いていた理由はわからないが、俺をかかしであるかどうかはやはり疑っているようだ。
そりゃ仕方ないよね…