第7章 再会
マリサイド 続き
涙を急いでぬぐって、視界をはっきりさせる。
そこには銀髪のマスクをした
右目だけしか見えない男が1匹の犬と共に立っていた。
「‥‥」
なんにも言わない私に、2人近寄ってきながら
なんとなくその毛並みを覚えている犬がしゃべる
「ほら、やっぱりマリの匂いだった。当たってただろ?にしても、スゲー顔」
「!?」
「ウルシ、女の子にそれは失礼ってもんでしょ?久しぶりに会うのに」
「‥‥」
「でもかかし、あいつかたまって無言じゃん。ほんとに俺たちのこと覚えてんの?」
「んー…あ、俺、顔見せてなかったよそういえば」
そういって私の返事をよそに
その男と犬は会話をしていた。
「おいマリ、俺はウルシだ。覚えてるか?おい?」
固まる私にしきりに話すウルシ。
「お前かかしの顔見てないだろ?でもこれ間違いなくかかしだから。俺が保証する。でも俺は覚えてるだろ?さすがに」
へ‥?ここにいるのが、かかし?
お面越しにみたかかしは間違いなく死んでいた。
確かに同じような見た目だけど
だって…死んだの見たもん。
でもなんでその彼が目の前に?
てか実際素顔も知らないし、この目の前の人も右目しか出てないから、かかしだって言われても見た目が似てるってことくらいで私には確信が…