第7章 再会
マリサイド 続き
「‥‥っ…うっ…」
地面に這いつくばったまま動くことができない。
お面の開いている穴から見えるのは
さっきまで見ていた階段ではなく見慣れない山道。
その地面の土を両手で握りしめ
私はまた、とめどなく泣きだした。
お面越しに見たのは
銀髪の人とその見知らぬ人との闘い___
そして___銀髪の人の死だった。
「違う…っ…絶対に…」
お面を取ってその場に投げつけて声を張り上げて泣く。
銀髪が同じだけで
かかしとは限らない、別人かもしれない。
そんな根拠のない理由を頭にならべ言葉では否定しても、
私の感覚が、心が、あれはかかしだったと叫んでいる。
あれは___かかしに間違いない____
何も真実を本人の口からきけず死んでしまうなんて。
5年前の後悔が
永遠に取り返しのつかないことになってしまった。
最後のかかしは
誰かを守ろうとしていたのはあきらかだった。
たとえ彼がやっていることが冷徹であっても
そこにはきっと理由があったはず。
胸にあった後悔とそのシコリを5年も無視し続け
結果彼を失くしてしまい真実すら闇につつまれてしまった。
私の涙を止める手段はもう、何もなかった_____