第7章 再会
マリサイド
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5年目の夏___
断捨離のため掃除をしていると、カタンっという音とともに落ちたもの。
「これ…結局捨てられなかったんだっけ…」
かかしの狐のお面…
少しほこりをかぶってしまっていたけど、あの時と同じように妖艶な雰囲気をだしている。
あぁ、そういえば明日は火の神様の祭りか…
あのことがあってから一度も行ってない
でもこうしてタイミングよく見つけたこのお面と、ちょうど明日が祭りの日ということもあって、これまで思いとどまっていた気持ちがポンっと押される感じがした。
行ってみようかな…
初めてそう思えた。
会える保証もない。
いや会えないに決まっていると思っているから行けるのかもしれない。
でも…もし会えたなら?
もし会えるなら…
聞きたいことを聞かず、真実を知ろうとしなかったことを謝りたい。
かかしの口から話を聞きたい。
今なら、あの時よりも大人になれる。
そう思い、祭りの日へ思いを寄せた。