第6章 すれ違う心
かかしサイド 続き
「かかし先生、それでいいーのかよ!?
もしほんとに、ほんとにかかし先生のこと好きだったら…」
そうナルトに言われた言葉を俺は
「くだらない」
とさえぎった。
くだらない…か…
ほんと、素直になれないね、いつまでたっても。
気になるから、好きだからという理由一つで突っ走れたらどれだけ楽だろうか。
「なんで俺はいつもこーなっちゃうのかね…」
恋愛に向いていないんじゃないかとも思えた。
自分が好きになれば、その人は理解してくれず、相手が好意を抱いてくれていても敵同士。
かといって誰かに言い寄られても、俺の心もそう簡単には響かない。
もう‥だったら1人でいいか…
結局この結論にいたる。
でも俺は恋愛をしてうつつを抜かしている暇も結局なかった。
木の葉崩し、サスケの里抜け、アスマ、自来也先生の死、そして暁の存在_____
マリとのことはあの後幾度となく思い出すことはあっても、あの火の神様の場所には2度と行くことはなかった。
何度かウルシにどうなっただの聞かれたが、答えをにごす俺に、ウルシも何かを悟ったのか聞かなくなった。
何年時がたっても、心の奥底ではあの時の普通の人間臭い自分を忘れたことはない。
でもいつしかそんな若かりし頃があったのだと月日がたつにつれて思い出のように変わっていた。
それでも、あの時マリともっと深く分かり合えていたなら…
とありもしない妄想をおもうこともあったけど、住む世界が違う時点で会える確率も保証もなかった。
俺だけの
淡く儚い思い出___