第6章 すれ違う心
マリサイド
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家に帰ってそのまま部屋に入り、ベッドへなだれ込む。
布団にうずめた顔をほんの少しだけ上げて、さっきかかしのお面をつけて見てしまった映像のことを思い出してみる。
正直いって、思い出すだけでも恐い…
そして、次は短い時間ではあったけど、月夜の綺麗な夜、初めてかかしに会い一緒に過ごした時間を思い出す。
ほんとに同一人物なの…?
そう思うほどの違いに混乱する…
それなのに…
私は結局恐怖のあまり、なにも本人から聞けなかった。
彼の口から、真実を何も___
あの時のかかしの与えてくれる安心感は本物だったはずなのに。
このお面…いったい…
そう思ってもう一度見つめてみる。
よく見ると使いこなしているような年期もはいっていた。
またこのお面をつけてみたら?
なにかまた…
いや…もしまたあんな場面を見てしまったら?
結局何もできず、堂々巡りの考えだけがめぐった。