第5章 火の神様の場所で
かかしサイド
まぶしく朝日が照らし出される。
でも、俺の心は反対に曇っていた。
「なんで、いないの…」
どれだけ火の神さまの場所を探し回っても
マリはいなかった。
俺が手を離した階段の場所にもう一度もどる。
手なんか放すんじゃなかった…
こんなこと予想もしていなかっただけに
どうしようもないけどなぜかあきらめれなくて____
俺は狐のお面をゆっくりとはずす。
お面一枚分の壁…
そういわれたそのお面をじっと見つめる。
ねぇ…どこにいったんだよ
君は、俺のことまだほとんど知らない
俺の素顔すら知らないじゃない
あのビビり具合いじゃ、きっとマリは俺のこと探してる。
俺も同じ。
マリ、お前を探してるんだよ。
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結局いくら探し回っても何も手がかりはなかった。
保証なんてないけど…また会えるなら…
そう思ってマリが消えた場所に狐のお面を置いて
俺は里へと目指した。