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ここで君ともう一度

第4章 マリとかかし


かかしサイド 続き

驚く、いや、もはやわけがわからないと言った俺の反応を無視して、がばっと押し倒される。



嫌だと抵抗することなんて俺にとっては簡単だ。
でも俺の両腕をつかんで押し倒したマリは、お面越しの俺に言う。


「2人で寝ころべば一緒じゃん?」


そーいう問題なのか?

と無抵抗で彼女を見つめる。



「あれ…気づかなかった…かかしの左目…なんか赤い?
左目…だけだね」



そういって、じっくりと俺の左目をそのまま見つめる。



俺…
今どれだけ忍びとして情けない姿をしているんだろうか。
一般人に、しかも女の子に両腕抑えられて押し倒されているだなんて…
ほかのやつが見たら絶句だろうな…

そんなことを思いながら、お面1枚越しに彼女を見つめる。
俺の写輪眼をひとしきり見つめたあと、隣に彼女もゴロンと横になった。




「今日は、夜空が綺麗だね…」

「‥‥うん…」

どう考えてもおかしい状況でしょこれ。





「かかし、見て。月が綺麗だよ」

「‥‥うん…」

今夜は、俺もおかしいのか?





「夜風も、気持ちいいね」

「‥‥うん…」

ウルシにも先に帰ってもらってよかった。





「ほんと静かな夜…」

「…」





「かかし、私達、なんだかこの世に2人だけみたいだね…
さっきと違って今は1人じゃない」

「…!…」

そういって彼女は俺を見て笑った。
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