第4章 マリとかかし
かかしサイド
その後、なぜか俺たちは少し無言____
でもちょっと彼女が気になって隣をみると、それに気づき、マリはお面をして表情もわからない俺に笑ってくれる。
しばらくまた歩き、またマリを見ると、俺に気づき、また笑う。
なんなのこの子…
結局俺は瞬身を使うことなく、不思議な感覚をもったまま彼女とこうして歩き続けた。
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「かかし。も、疲れた…休んでいい?」
「うん、そこで少し座ろう」
そういって俺たちは木の下に腰を下ろす。
そこで俺たちはほんの少しだけお互いについて話した。
やっぱり聞いている限りだとマリは同じ世界の人とは思えない。
でも俺の世界とマリの世界に共通している火の神様のまつられている場所…そこに何かあるのか…?
そんなことをグルグルと考えていると
「かかし、眠い…」
とトロンとした目を向けてマリが言う。
まぁあれだけ歩いてから休憩してしまえば疲労が襲ってくるのも無理ないか…
「少し眠りなよ。俺は起きてるから」
「うん‥あり‥がと…」
そういって彼女は俺の肩に無防備にもコツっともたれかかりすぐに寝息を立て始めた。
暗部で隊長も務める俺が、いったいなにやってるんだろうかとも思えた。
でも思うのは1つ。
今は彼女を起こしたくない…
俺にもたれる彼女の体から、じんわりとぬくもりが伝わる。
俺の戦闘服はノースリーブになってるから、肩と腕の皮膚に感じる彼女の暖かさはあまりにダイレクトで、そのぬくもりは心まで一筋届きそうな感覚。