第22章 エピローグ
マリサイド
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「パパかっこいーでしょ?」
アルバムを眺める娘にニヤニヤと自分の旦那の自慢をする。
「うん。パパかっこいいけど、でもリンのタイプはサスケおじちゃん」
「「!!」」
キッチンからガシャンと物が落ちる音がした。
「なに?リンは…パパよりサスケのほうがタイプなの?」
キッチンでコーヒーを持ちながら、ワナワナとしているかかしに笑えた。
「もぉ笑わないでよ。ほんと親子そろってサスケ好きなんだから。パパよりサスケがタイプって…結構ショックなんだけど」
「パパ悲しい?じゃリンがいい子いい子してあげる」
ショックを受けるパパを不憫に思った3歳の娘がしゃがんだかかしの銀髪をなでおろしている。
綺麗な同じ銀髪がゆれ、2人抱きしめあう姿は自分の旦那と娘でありながらほんと絵になると思った。
そんな幸せな時間の中、ピンポーンとインターホンがなる。
「来た!!!」
娘のリンが駆け足で扉をあけると
「おーリン!かかし先生~誕生日パーティするってばよ~」
と第7班のメンバー、ナルトくん、サクラちゃん、サスケくん、サイくんをはじめ、かかしの教え子たちとかかしの同期たちもぞろぞろとやってきた。
「サスケおじちゃん!!」
「リン、元気だったか?」
「うん!会いたかった!」
そういって娘のリンは誰にも目もくれず、サスケくんに抱っこをせがむのだ。
それをわかっていてか、サスケくんもリンには甘い。
「ほんと…親子そろって1番難しい相手と、1番にわかりあえちゃって…」
となりで髪の毛をワシャワシャしながら、ヤキモチをやくかかしにまぁまぁとなだめる。
「じゃ、お祝い始めるってばよ!!」
「「「「「かかし先生、誕生日おめでとーーーーーーーーー!!!!」」」」」
かかしは普段はマスクをつけているものの、こういう身内での場ではマスクをとるようになっていた。
そこには、たくさんの笑顔と幸福感があふれている。
私達にそれぞれある失ったものたちは戻らないけど、あの時のびびりだった自分に言いたい。
お前はほんとは強いんだぞっ、てね。