第21章 結婚式
かかしサイド 続き
「かかし…私とキス…したくないの?誓いのキスなのに…誓わないんじゃ結婚式する意味ないじゃん!!」
「違うちがう!!そうじゃなくって!!」
「じゃ、どゆこと…?」
ジロリと見つめるその目線にやれやれと思い、俺は右頬を人差し指でかいた。
「ほら…俺素顔だれにも見せてないじゃない?その…一応たくさん人が来るし…マスクはずしてキスしなきゃだ「当たり前じゃん。マスクの上からのキスなんてありえないから」
マリは俺の質問を聞くまでもなく即答だった。
更にじろりとにらまれる。
「かかしもいつまでもみんなとの間にその薄っぺらい壁作ってないでさらけ出しちゃえばいいじゃん。とにかく、マスクでキスは許さないから」
それだけ言い残してマリは火影室から去っていった。
「まぁ…それもそうなんだけどね…」
火影の机にごろりと伏せてぼやいた。
そういえばいつからだっけ…このマスクつけだしたの…
アカデミーに行く前にはもうつけてたか…
当時の俺もサスケのようにツンツンととがったガキだったからな~
周りからあまり感情を読み取られるのが好きじゃなかった。
忍びは感情を表に出すべからずっていうくらいだし、つけていることには安心感はあったのかもしれない。
でもオビトやリン、ミナト先生をうしなって…
はたから見れば忍びとしてのエリート階段をのぼり、周りからの期待とは裏腹に俺は自分自身を許せないでいたから自分にさらにふたをして、さらに暗部になって仕事柄お面もつけて全部隠してたっけ…
担当上忍になってからはもちろん教え子たちに弱い所なんてみせれなかったし…
確かに世代交代となっている今、本当の意味ですべてをさらけ出すということは今がタイミングなのかもしれない。
「ん~…なかなか緊張するね、こりゃ…」