第19章 転生眼
マリサイド 続き
「マリ!!!!」
そうトネリに叫ばれ、体がビクっと跳ねる。
見上げたトネリは怒りというよりも驚きのほうが勝っている表情を浮かべて私を見下ろしていた。
「何って‥‥わかんないよ…苦しくて、何も覚えてない…」
トネリはバラバラと灰となり地に落ちた左手を見て
「お前…まさか…それ…大筒木カグヤの技・共殺の灰骨…」
そうつぶやいた。
「俺も覚えてるってばよ…そのカグヤの技……」
そばにいるナルトくんもトネリと同意見だったようだ。
「…私何もしてない…」
そういってもトネリは険しい顔をして地面に膝をつく私を見下ろした。
「くそ‥‥僕の血がなじんで呼び起こされた力・・・でもまだコントロール不足で左手だけだったのが幸いか…」
気まずいような雰囲気が流れた。
でも見る感じ、トネリは戦意を若干消失しているようにも思えた。
もしかしたら…話を聞いてくれるかも…
「よくわかんないけど…トネリ、もう…やめよ?転生眼をひらいても見るものは殺戮だけなの?また1人でここで生きてくつもり?そんなの…虚しいだけだよ…」
「でも、僕は地上の人々が何年たってもチャクラを兵器として利用し続けている様を見たんだ。俺はハゴロモが築いた忍び世界は失敗であったと解釈した!」
叫んだトネリに同調するように、ナルトくんも叫んだ。
「待ってくれ!!それは…それは今まで確かにそうだったかもしれねぇ。でも第4次忍界対戦で俺たちはたくさんのことに気づいて学んだんだ!チャクラをただの殺戮兵器として使おうとは思っていない。確かにまだそれを良く思わない忍びもいる。完璧じゃない。でも俺達もこれからまた変えていこうと進みだしたところなんだ!頼む!もう一度チャンスをくれ!俺達を…信じてくれってばよ!」