第19章 転生眼
マリサイド 続き
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どれだけキスしていたんだろ…
望まない行為の割には、儀式的な雰囲気と、なんだか頭の中がぼんやりとしてくる感覚のせいで、時間の感覚さえうすれていた。
唇が離れると、力が入らず膝から崩れ落ちる。
それをトネリが支えてくれて
後ろにあるベッドに寝かせてくれた。
何これ…
頭が…重い…目がかすむ…
思考が‥うまくまわらない…
そんな感覚に疑問を抱いていると、あおむけで寝ている私の真上に人の影がうつった。
「マリ」
そう呼ばれ何度かまばたきをし、かすんでいた視界を少しだけクリアにする。
「やっとこの眼で君をちゃんと見れるよ」
そこには青色に輝く綺麗な目をしたトネリが
その自身の両目で私を見下ろしていた。
「綺麗な…眼…」
「ふふ。そう思う?これが転生眼。前よりもはっきりマリのことが見えるよ。ほんとに綺麗だね君は」
そういって頭を撫でてくれた。
「体が…重くて…頭が‥‥‥‥まわらない‥…」
「そうだね。血をかわしたからそれは仕方ないのかもしれない。マリの血が僕の中にまざったように、マリの中にも僕の血がまざったから、君にはちょっと刺激が強かったのかもね。でも大丈夫。じきに慣れる。僕はちょっとねずみの処理にいってくるから、ここで良い子で待っててね」
そういってトネリは一瞬で消えてしまった。
私は身動きすらとれず、そのまま意識を失った。