第19章 転生眼
マリサイド 続き
「!」
突然トネリが何かを察したように天を見つめる
「なに?どうしたの…?」
「んー。ねずみだな。邪魔しようってわけねやっぱり…」
そう言われて木の葉から誰かが来たんだと悟った。
「これじゃあ約束がちがうよね。せっかく月が近寄ることも止めてたのに…マリ、ちょっと待ってね。すぐすむから」
そういっていくつかトネリは印をむすんだ。
大きな音とともにその衝撃破かなにかで家自体も激しく揺れ動ごく。
「なに!?何したの!?」
「何って、隕石をいくつか落としたのさ」
「!!!なんで!?私はここにいる!抵抗もなにもしてない!何もしない約束だったじゃない!!」
「だって、なんかねずみも来てるし。それに……マリも実際最終的には拒否しようとか考えてたんじゃない?ここに来ればなんとかなるとか思ってたとか…」
「‥…」
冷ややかに言われ、否定はできなかった。
なんとかなるかもしれないと思っていたのは間違いなかったから。
実際に助けは来ている。
でもまさか隕石を落とされるとは思ってなかった。
ある程度私の考えは彼に読まれていたのだ。
「じゃあ…もう少し、隕石をとばしておくか…」
「待って!!」
トネリの印を結ぼうとする手を両手でつかんだ。
「ちゃんと血をかわす。逃げないから。もう隕石を落とすのはやめて?転生眼開眼に協力するから」
そういうと、彼は少し黙ったまま
その薄い笑いをやめて私のほうを向いた。
「お願いします…これ以上は…やめてください…あの星を…壊さないでください…」
必死で頭をさげて頼んだ。
トネリには心の眼があるから
私がどうしているかもわかるはずだ。
しばらく沈黙したトネリは
頭をさげる私の頭にポンと手をのせて
「そこまでいうなら仕方ないね。わかった。あれだけにしておいてあげる。まぁ俺の傀儡人形たちがねずみ処理にあたってるけど転生眼を開眼すればもっとたやすいだろうから」
そういって印を結ぶ手をゆるめた。